2019.3.10 15:51

奥の奥

この日は馴染みのお客様。
いつもは厳冬期にスノーランブラーをしに来てくれるのですが、そのたびにワタシが、
「春のスノーランブラーもいいですよ~。スノランで ”滑って遊ぶ” には春が一番!」
なんてそそのかすもんだから、春雪狙いで来てくれました。


装備も体力も歩くペースも良く分かっていて、さらにはスキーも上手な方なので、森の奥の奥にある「ヤブキゲレンデ」に行ってきました。


ワタシ、ニセコの森にいくつか「ヤブキゲレンデ」を持っています。って、ワタシの土地ではありませんよ。誰も行かないからワタシが勝手に言っているだけです (^_^;)
そこは、森の中のプライベート・スノーランブラー専用ゲレンデ。
「スキー」として滑るにはつまらない―、スノーシューでは行けない―、いい森に囲まれていて―、スノーランブラーでも危なくない斜度だけど、それなりに滑っちゃう、という絶妙な斜度と面積と長さが必要です。要は、森にぽっかりと空いたただの斜面です(笑)


だけどそんな場所は、スノーランブラーで遊ぶには最高な場所なんです。
誰も知らないし、あえて行かない。だから静かでいい。


その中でもここは特に歩く距離が長く、ツアーでは今まで一度も行ったことがありません。
秘密の場所ってワケではないけど、ツアーではなかなか行けるタイミングがないので、結果的に秘密の場所みたいになっています。
厳冬期には行けないし、行く気にもならない。春限定。厳冬期に一度だけ一人で行ってみたけど、うんざりしました。


そんな場所。


「遊びに、ヤブキゲレンデへ」といっても、やっぱりスノーランブラーは自然を見るためのスキーなので、行くまでの道中ではしっかりと個々の植物や鳥、森全体を見ながら歩きます。サクサク歩かない!ハイペースで歩いちゃダメ!
だけどそれなりに歩かないと着けない!(ムズカシイ…)
春の歩きやすい雪を感じながら、自然を見ながら、お喋りしながらがやっぱり大事です。
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ヤブキゲレンデの手前周辺は、とてもいい森で美しい。そんなトコロを見ながら歩いて、さらに奥へ。
とてもスノーシューでは行く気にならない距離感だし、地形にまったく特徴がなくピークを目指しているワケではないので普通迷います。ガイドが迷ったらおしまいなので、さりげなく気をつけながら(笑)
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昼も過ぎた頃、到着!
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春の森でゆっくりお喋りしながら昼食を済ませ、あとは……スノーランブラーで、「滑り大会」!
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そもそもスノーランブラーの板は滑るためモノではないし、取り扱い易さために板の長さは短くなっていて、そのためバランスが取りにくい。
踵だって固定されていません。当然スキーブーツなんぞ履いていなくて、ただの靴。
スノーランブラーで滑るのは超ムズカシイ。


通常のツアーでは、ワタシの方でフィールドや斜面を選びながら「ターンなんてしなくてもいいですよ~」で済む場所でやっているのですが、今日はせっかく滑れる人なので滑りにチャレンジです。
スキーが好きな人なら、ここも面白いトコロです。
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滑っては登り返して、また滑って…を何度やったでしょう(笑)
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すっかり上手くなりました。
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いい笑顔。
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スポーツとしてのスキーではなく、自然の森を移動するための道具としてスキーを使い、誰も居ない森で気の知れた仲間だけで遊び、なおかつ周囲の自然をしっかり見て・知る……こんな自然の楽しみ方もいいものです。


これだけ上手くなれば、帰りなんてあっという間。
町でお茶してさらにお喋りを楽しみ、充実の一日が終了。
誰も行かない森の奥まで歩いて、一日中滑って遊んで…だけどキチンといろんな森も見て自然を知る。
そしてさらに、スノーランブラーの機動力と遊ぶ幅の広さを体感してもらって、ワタシも良い一日でした。
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2019.3. 8 16:51

背中合わせ

コゲラって、あまり人を恐れず近づいても逃げることもなく、いつも一心不乱に木を突いている可愛いヤツ。
たまにギィーギィー言うくらいで声も姿も地味、数も多いし、家によっては庭にも来たりして、鳥写真マニアからは「あ~、コゲラね…」程度の扱いを受けることもあります。


これがクマゲラだったら「きゃー、クマゲラぁぁー!」などと騒がれ、「天然記念物」「環境省絶滅危惧種」「日本最大のキツツキ」などの冠が拍車をかけ、羨望の的となります。


しかし世界的に見れば、クマゲラはユーラシア大陸に広く分布しているキツツキで、コゲラは東アジアの一部にしか分布しないキツツキ。
世界的な分布でレアなのは、コゲラ。
英国の紳士淑女バードウォッチャーが憧れる鳥も、コゲラなのです。
日本でもコゲラに黄色い声が飛ぶ日が来ることを切に願います。


そんな人間の態度は当のコゲラはまったく意に介さず、今日も一心不乱に木をつついています。
そんな ”超” がつくほどマイペースなアナタが、私は大好きです。


アナタはいつも背中を向けてますが。
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2019.3. 6 14:05

この上ない

自然ツアー一本で独立する、なんて物好きなガイドはなかなかいないので、独立当初は『どうすればやっていけるのか・どうすべきなのか』、ワタシなりによく考えました。


自分が思う自然ツアーの楽しさって何よ?というのが、「ツアーについて」ページにある、あの最初の文言。


自然の美しさに感動し、
みる楽しさに気づき、
知る喜びを味わう。


標語のような文言ですが、一応オリジナルです。
理想は至極当たり前で、シンプルがいい。
独立以来ずっと、すべてのツアーで必ず目指すようにしています。


ワタシの技術不足のせいで結果的に提供出来なかったことはあっても、ツアー前にはここを目指せるツアーをご提案し、どうやっても提供出来ないであろうツアー形態は始めからやりません。ここは10年以上、譲らないトコロ。
だからたとえ、林道の道端だって、一般的な ”自然の美しさに感動” は出来ないけれど、”見て・知る” ことが出来るのなら、ワタシ的にはそんな場所での自然ツアーもアリなんです。


この日はピーカン。
大展望のような美しさもあり、小さな美しさもあり――最高の一日。
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でも、ただ美しい自然に感嘆するだけではなく、キチンとみる楽しさを味わい――、
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知る喜びを。
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翌日は急遽お友達を連れて来てくれ、3人で自然散策。
ゆるゆるな雰囲気の中でも、キチンと見て楽しんでました。
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こんなツアーは、大人数でのツアーや決まった場所だけでのツアー、プログラムされたツアーでは実現出来ないと確信しています。
だからオリジナルになります。こんなスタイルを自分の色にしたい。


ツアーが終わってから、参加してくれたお客様がこんなトコロをぼやーっと感じてくれたなら、ワタシとしてはこの上ない喜びです。

2019.3. 3 17:27

冬のツアーについて

今年は、2月の三週目頃から急に春になりました。
それまではマイナス10℃を下回る日が多くて新雪も毎日豊富だったのに、このあたりを境に日中はプラスの気温になり、それ以降ほとんど雪が降っていません。
2月下旬はまだまだ厳冬期のはずなんですが、晴ればかりの毎日でした。


例年ならこんな春陽気は3月半ば以降くらいからなのに、今年は異常に早く春が訪れています。
仲間内でも、
「さすがにこのまま春ってワケはないよね~」
なんて言っていたら、冬に逆戻りする日もないまま、今日まできています。


となると、雪解けも早いペースで進んでいます(特に山麓では)。


現段階では山麓でも1m以上の積雪があるのでツアーに問題ありませんが、例年はGWまで催行可能な冬のツアーも、このままいくと、4月以降に雪はあるのか?!という雰囲気です。


こればっかりは今の段階で「○月○日までならOKです!」と断言出来ずに歯がゆいのですが、3月いっぱいは大丈夫だろう、と思っています。


残雪の多い場所で催行する、ということも場合によっては可能ですので、4月以降で冬のツアーをご計画されている方は、一度お問い合わせ下さい。
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2019.3. 1 17:44

樹木をみる

この日も春陽気。
朝はマイナス9℃ほどで5cm程度の新雪があったけど、日中は青空でポカポカ陽気、道路からは雪が消え、森では鳥がさえずり、足跡もたくさん残っていて……春です。


いつもツアーに参加してくれているお馴染みさんなので、自然の見方も一歩も二歩も進んで、いつも以上にじっくり自然観察のスノーシューツアーでした。


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この日は、「樹木それぞれの違いを知り、名前を知り、森の姿を知る」という樹木観察。


名前を決めることがすべてでは決してありませんが、「名前が分かる」ということもやっぱり楽しいもんです。特に森全体を見たり、科学的に自然を見るには、名前が分かることはとても大事なこと。


そんな名前を決める観察となると一般的には冬芽観察に興じるものだけど、ワタシの場合、冬芽を観察するのは一番最後の確認作業の時のみ。(当然、冬芽を感覚的に「可愛い」だとか「造形美」を愛でるのであれば、最初っからどんどん冬芽を観察しましょう)


冬芽を見る前に、枝ぶりや枝の延ばし方・樹姿や色味・生育環境・地形・雰囲気(?)まで、見るものは色々とあります。これをヤブキ用語的に「パッと見分類学」といいます。


こんな見方は、実際に見ていないとまったく分からない世界なのでここではちっとも書けませんが、自分の感覚と様々な見方を総動員して一本一本の違いに気付き名前がアタマに浮かぶ、というのも自然をみる楽しさのひとつに間違いありません。


ということでこの日のお客様には、ヤブキ的樹木検定2級を差し上げました。審査基準も副賞もありませんが。
だけど、自分の中で「なんか見れるようになった気がする」という感覚って、良いですね。


そんな名前が分かるようになった木が、どんなトコロにどんなふうに生えていて、それからどんなことを読み取れるか――樹木を識別することでここまで見られるようになったら、楽しいものですよ。


相変わらず、他の人が聞いたら意味の分からない、分かりにくい写真ばかりを撮ってました。
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