2016.4. 4 18:04
今日は「古道をゆく」シリーズ。おもいっきりワタシの趣味です。
ある時、昭和30年くらいの地形図を見ていると、現在の地形図にはない道を発見!
「へぇ~、昔はこんなふうに道が通ってて峠越えしてたんだ。その道は今はどんなふうになっているんだろ?」
と興味が湧き、こうなるともう行くしかない。
こういう廃道は、夏になると猛烈な笹藪と化してしまいます。夏は調査仕事で道なき道の藪の中を歩いてばかりなんだから、休みの日まで歩きたくありません。
今の残雪期が狙い目なんです。
廃道になって50年近くの道。
昔の地形図と現在の地形図を見比べながら周囲の地形を見て、「道をつけるならあそこの地形だな~」なんてことをイメージしながら彷徨います。
だけどそもそも一面の雪なので、道も何も関係ありません。
“道なんて気にしないで” 歩いた方がラクです。雪の中で “道をたどる” 方が難しいくらい。そこがまた楽し。
出だしのうちは今でも林道として使われている道なので、間違えようがない道。
ミズバショウを鑑賞しながら、余裕余裕。
林道から外れて、道らしきものがあるようなないような・・・という雰囲気になってきました。
線路が近くに走っているハズ・・・と気にしていたら、ヨーロッパトウヒの植林地があるではないですか。
道内ではヨーロッパトウヒは鉄道林として利用されてきた歴史があるので・・・ビンゴです。
やっぱりすぐ近くに線路がありました。
実際に歩いていると気付きにくいですが、こう見ると道のようですね。夏は猛烈な藪でしょう。
道幅は狭い所では3mくらいしかありません(一部、道を間違えていたかもしれませんが)。
昔はこんなだったんですね。
周囲はハルニレ・ヤチダモがメインの林。そして一段上になると、オオバボダイジュやらミズナラやらの林です。
だけどそんななかに、ニセアカシア・ケヤマハンノキ・エゾヤナギ・オオイタドリなどの植物がぽつぽつと・・・。
樹木の識別とその樹木の生態、森林の遷移が分かっていれば、かつて人の手が入った場所がどこなのか・それはいつ頃なのか、おおよそ見えてきます。
ここが道でしょう。かなり分かりにくい場所でした。
廃道になってから成長したであろう、ヤチダモ一斉林。
そんなこんなで歩いていたら反対側の林道にビシっと着きました。かなりスッキリ、気持ちがいい。
あとは今も使われているこの林道を使って、峠の頂上を極めました。
さて、この日は一人で来たので “峠に車を置いておく” なんて気の利いたことはしていません。
また同じ時間をかけて引き返します。
峠を登るまでに片道1時間半程度。往復で3時間弱の道のり。
帰途、車で峠越えをしたら5分程度で越えちゃいました。
先人の苦労を偲ぶ間もなく、互いの町を行き来できる現代。
こんな歩き方も新たな気付きとなって、楽しいものです。