2019.1.16 16:39

「“ハマる” 難しさ」

「○○が見たい」という時、それを見つける目やそれが見られるであろう環境を見極める目、といった、「それに出会うために自分の目を磨く」という過程はとても楽しいものです。
でもやっぱり、歩いたからには何かに出会って結果を出したいのも人の常。


植物であれば、基本的に(環境などが変わらなければ)そこに居続けてくれるものも多いので、一度見つけてさえいれば再訪しても出会えます。
しかし鳥などの「動きモノ」は難しい。
毎回、様々な条件をクリアする必要があります。


まずは訪れる場所がハマるか。
自然度があれば・森が広ければ単純に個体数はたくさんいることが多いけれど、それと「出会える」こととは別問題。
森が広大で自然度が深ければ出会えるであろう場所を絞りにくく、どこでも歩ける分、歩いている割になかなか出会えない、なんてこともよくあります。


しかも、当日の天気や風・時間など様々な条件が絡み合って、動きモノの出現確率は大きく変わります。
ニセコのように、気象条件の厳しい場所であればなおさらです。
まずは歩く場所がハマり、当日の現地の条件がハマり、さらには本人の「そこを歩くタイミングと対象を見つける目」がハマる必要があります。


そして、せっかく「出会えて」も、遥か頭上にいて「見られない(観察出来ない)」なんてこともよくあって、『たくさんいるけども、じっくり見ることは出来なかった』ということもよくあること。
動きモノでは、「出会えた」ことと、「じっくり見れた(観察出来た)」こともまた別なんです。


そうなると、鳥によっては、意外と町中の公園の小さな林の方が見やすいこともあったりして――。
そんな場所の方が、木々が小さくこじんまりした広さなので見るべき場所が限られてくる分、「出会いやすく見やすい」なんてこともあります。
いくら数多く生息していても広大な森に散っちゃえば、なかなか出会えなくなって当然ですものね。
そんな読みが難しく、「場所と条件がハマって、狙ったモノがじっくり見られた」ということはなかなかないものです。


そして最後はやっぱり「運」。
運がハマるかどうかは天のみぞ知る、のです。


さらにさらに、写真を撮るとなるともっと難易度が上がります。


光の具合や自分の立ち位置・角度・枝のかぶり具合・カメラを扱うテクニック・カメラの設定……など、これらもすべてハマるということは至難の業です。
プロの動物カメラマンは、経験に裏打ちされた自然に対する目やワザ、機械に対する知識と準備、そして何より桁違いのフィールドワークの量で、あの一枚の写真を撮っているワケです。スゴいです。


こういった難しさをクリアするために大量の失敗を繰り返し、自然の中に何度も足を運び、動物の生態や行動の知見を増やし、どうすればハマる確率が少しでも上がるのかを考え――そこも自然を歩く楽しさのひとつであり、自然ガイドとしての技術のひとつであることに間違いありません。


先日、珍しくハマった。
ニセコから出て、車を走らせた甲斐がありました。


ちなみに、次の日もプライベートで同じ場所に行ってみましたが、天気・気温・時間などの条件はほとんど一緒なのにまったく見られず。
こんなことがあるので、やっぱりムズカシイ……。


クマゲラ
2019-01-12%2011.00.02_099.JPG


2019-01-12%2011.00.08_103.JPG


エゾリス
2019-01-12%2010.52.14_036.JPG


シマエナガ
2019-01-12%2011.50.44_358.JPG


2019-01-12%2011.09.51_144.JPG


2019-01-12%2011.50.14_351.JPG


2019-01-12%2011.46.38_318.JPG


2019-01-12%2011.50.57_360.JPG


2019-01-12%2011.49.12_334.JPG


2019-01-12%2011.52.43_391.JPG


2019-01-12%2012.02.11_477.JPG


2019-01-12%2011.58.33_448.JPG


2019-01-12%2011.10.47_180.JPG

●コメント一覧

全さん、綺麗な写真見せてくれて有難うございます。綺麗ですね。本当にハマる場所、時、道具、その他まずマッチすることないです。全さんの気持ち良くわかります。いつも見るだけですいません。

ゆたか 1.16 18:39

プラタナスとクマゲラの組み合わせ初めて見ました。シマエナガ最高にかわいいですね。樹液に集まってますね。キクイタダキやヒガラなど小型の野鳥は間違いなく街中の公園が観察しやすいですが、こちらが同じ条件だから今日も居るだろうと思っていても野鳥たちからしてみれば何か違いがあったり、もっと条件が良い場所を見つけたとか都合があるんでしょうね。エゾモモンガも日によって姿を見せてくれる時間が違うので観察が難しいです。出会えるかどうかは、やはりタイミングと運ですね。

ハナシノブ 1.16 19:26

どれもこれも素晴らしい!!!
表情まで見えて、おまけにいろんなポーズで可愛いですね。

クマゲラが突いている木は何の木ですか?

タクミ 1.16 20:44

>ゆたかさん
いえいえ、いつもありがとうございます。
珍しく(?)、ハマりましたよ。なかなかハマることがない分、ハマった時の感動もある、っちゅうものですよね(笑)
そんな宝探し的出会いが好きです。

Ftre-zen 1.17 14:06

>ハナシノブさん
ご推察の通り、プラタナスということは、公園です(笑)
そんな公園でクマゲラが出るとは、いい出会い(タイミング)でした。
出会え方や観察者のアンテナの方向という面で、動きモノと植物の違いも楽しいですね。
プロの自然ガイドとしては、「タイミングと運」の精度を少しでも上げる必要があり、そこは幅広い知見と何よりフィールドワークの量でカバーするしかない、と確信しております。
いつまで経っても、ハズレることが多いですが(笑)

Ftre-zen 1.17 14:12

>タクミさん
クマゲラの木はプラタナス(モミジバスズカケノキ)と言われる木で、公園や街路樹として植栽され、樹皮や実が特徴的な木です。
深い森の鳥というイメージのクマゲラがプラタナスを突く、という組み合わせは、なかなか面白い。
そういう意味でも、ハマりました。

Ftre-zen 1.17 14:15

このシマエナガの群れは、イタヤカエデの樹液狙いで集まってきているように私には見えましたが、全さん的にはどう思われますか?(^_^;)

きよし 1.28 12:24

まさに、そのとおり!
というか実は、歩いている時に樹液の出ているカエデを見つけて、しばらく待ってみたら来た(笑)。まさにハマったという感じですね。
ワタシが樹液狙いだったのです。

Ftre-zen 1.28 12:47
●コメントを投稿

投稿ボタンを押してから、投稿完了までしばらく時間がかかります。
投稿完了後、管理者が承認するまではコメントは表示されません。






自然のおはなし
「植物から学ぶ」
「“ハマる” 難しさ」
「バイケイソウあれこれ」
「登れない山」
「いつまでたっても」
「巨鳥」
「スギラン」
「ハルニレ林」
「オカダモ」
「キオンとヒトツバハンゴンソウ」
「比べるシリーズ」
「ヒルナンデス」
「嬉しい出来事」
「盛りだくさん」
「ヤブキ用語」
「アライグマ」
「フクジュソウとシャク」
「クマゲラ」
「サクラソウ色々」
「図鑑ネットサービス」
「クマにご注意」
「蚊と色の関係」
「キバナコウリンタンポポ」
「マキノスミレ in北海道」
「水恋鳥」
「カタクリ~実生」
「古道をゆく」
「雪の中の紫外線にご注意!」
「コクマルガラス~声など」
「コクマルガラス」
「カワガラス」
「図鑑のための図鑑」
「ハクチョウとキツネ」
「ニセコのオジロワシ」
「しだまとめ」
「はなまとめ~2」
「はなまとめ~1」
「とりまとめ」
「顔パスで」
「シダ見」
「耳かき草」
「早春の鳥見」
「古道」
「Ftre掲示板開設」
「コガラとハシブトガラ その2」
「コガラとハシブトガラ」
「今年を振り返る~植物編」
「今年を振り返る~動物編」
「黄釣舟」
「サイシンあれこれ」
「黄から紫へ」
「夏の自由研究?」
「予習もおススメ」
「続・ ? 」
「雪の降る夜は・・・」
「虎落笛」
「秋の声」
「ハズカシながら・・・」
「宵待草」
「朴の花」
「魑魅魍魎(ちみもうりょう)の森」
「鳥・撮り」
「道標(みちしるべ)」
「雁風呂」
「雪虫」
「シジュウカラとゴジュウカラ」
「春の声」
「かくありたい」
「写真集2(失敗編)」
「そらとくも」
バックナンバー
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年