2015.4.18 21:32

「早春の鳥見」

150416.jpg

今年は毎年実施している鳥見の会をお休みしているので、こちらで鳥見のご紹介。


鳥を見るのにベストな時期は、繁殖期にあたる5月あたりから。
その時期は活発に動く上によく鳴いてくれるので、初心者でも姿を発見しやすく、観察できる鳥が増える時期です。


だけど実は、“鳥を覚えたい” という人にはこの時期がベストではありません。


というのは、
5月の繁殖期に半日も歩いたら、確認出来る鳥はかるく20~30種は越えます。
これって初心者には間違いなく頭が混乱してしまう数。
「二兎追うものは一兎をも得ず」ごとく、「二羽追うものは一羽も得ず?」状態になりかねません。


実は、ワタシの「鳥見の会」も必ず、“あまり鳥が見られない時期”からスタートするようにしていました。
そうすることで、少ない種数から除々にプラスしていってアタマの中を整理する作戦。


鳥も植物もそうですが、何度も見て調べていくうちに、頭の中で、
・時期別に―
・環境別に―
・分類別に―
グループ分けが自然と出来てきてくるタイミングがあるものです。
こんなアタマの中の整理が、“ある日突然” 出来るようになるものなんです。


この、ある日突然が訪れると、
「急に分かるようになった気がして、嬉しい!楽しい!」
と感じる瞬間なのだと思います。


植物や鳥の名前を覚えるために、まるで英単語を詰め込むようにひたすら覚えるのは、とてもつまらなくツラい作業で、グループ分けしながら記憶したり、いかに季節や環境と繋げて理解していけるかが、楽しく覚えていくこととの境い目となります。


そこでおすすめは、残雪の時期からキチンと鳥見歩きをすること。


残雪の時期は夏鳥がまだ渡ってきていないので、半日歩いていても出会える鳥は10種あるかないか。
もしかすると、観察出来る鳥が少なくてつまらなく感じるかもしれません。
だけどそんなふうに同じものを何度もみることが、 “これから先” の季節ために大事なのです。
アタマの中と鳥の声への事前練習みたいなものです。


まずは、
残雪期に、繁殖に向けてひと足早く活発に動き回るカラ類と呼ばれる留鳥の仲間たち。さらに、冬はカラ類と混ざって見ることの多かったキツツキの仲間たち。これをひたすらノック!
雪が溶けるにしたがって、除雪脇などにたむろするホオジロ科の仲間たち。
そして次に冬鳥や旅鳥のアトリ科の仲間たち―。
さらに季節が進むと夏鳥の渡りも次第に本格化し、ウグイスやらセンダイムシクイやら・・・。


こんな風に、アタマを整理しながら観察して段階的に記憶にとどめておくと、季節が進むにしたがって観察出来る鳥の種数が増えていってもアタマの整理が進みます。


ただ
「○○が見れた」
だけではなく、
「この時期に、こんな環境で、○○が見れた!こんな行動をしていた!!」
という意識を持ちながら観察しましょう。


するとある日突然、アタマの中で整理出来るときが来ますので。

●コメント一覧
●コメントを投稿

投稿ボタンを押してから、投稿完了までしばらく時間がかかります。
投稿完了後、管理者が承認するまではコメントは表示されません。






自然のおはなし
「新ツアー」
「管理と維持の実状とこれからのひとつのカタチ」
「クズあれこれ」
「キビタキのディスプレイ」
「器用なカケス」
「春?じゃない…はず」
「ゲジゲジシダ顛末記」
「さっぽろ野鳥観察手帖」
「遊歩道のあり方を考える」
「エゾエンゴサク」
「植物から学ぶ」
「“ハマる” 難しさ」
「バイケイソウあれこれ」
「登れない山」
「いつまでたっても」
「巨鳥」
「スギラン」
「ハルニレ林」
「オカダモ」
「キオンとヒトツバハンゴンソウ」
「比べるシリーズ」
「ヒルナンデス」
「嬉しい出来事」
「盛りだくさん」
「ヤブキ用語」
「アライグマ」
「フクジュソウとシャク」
「クマゲラ」
「サクラソウ色々」
「図鑑ネットサービス」
「クマにご注意」
「蚊と色の関係」
「キバナコウリンタンポポ」
「マキノスミレ in北海道」
「水恋鳥」
「カタクリ~実生」
「古道をゆく」
「雪の中の紫外線にご注意!」
「コクマルガラス~声など」
「コクマルガラス」
「カワガラス」
「図鑑のための図鑑」
「ハクチョウとキツネ」
「ニセコのオジロワシ」
「しだまとめ」
「はなまとめ~2」
「はなまとめ~1」
「とりまとめ」
「顔パスで」
「シダ見」
「耳かき草」
「早春の鳥見」
「古道」
「Ftre掲示板開設」
「コガラとハシブトガラ その2」
「コガラとハシブトガラ」
「今年を振り返る~植物編」
「今年を振り返る~動物編」
「黄釣舟」
「サイシンあれこれ」
「黄から紫へ」
「夏の自由研究?」
「予習もおススメ」
「続・ ? 」
「雪の降る夜は・・・」
「虎落笛」
「秋の声」
「ハズカシながら・・・」
「宵待草」
「朴の花」
「魑魅魍魎(ちみもうりょう)の森」
「鳥・撮り」
「道標(みちしるべ)」
「雁風呂」
「雪虫」
「シジュウカラとゴジュウカラ」
「春の声」
「かくありたい」
「写真集2(失敗編)」
「そらとくも」
バックナンバー
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年