2016.3.22 17:15

「雪の中の紫外線にご注意!」

3月も半ばを過ぎると豪雪地帯のニセコでも晴天率が上がり、太陽の光が降り注ぐ日が多くなります。
そんな時に注意しなければいけないのが、紫外線。


紫外線に注意といっても、お肌のケアではありません。
それはそれでシミやらシワやらの原因になるので、“日焼けにご注意” なのですが。
ちなみにウチの奥サマは、春になると銀行強盗のような出で立ちで滑っています。
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今回は雪目(ゆきめ)について。


雪目とは正確には雪眼炎といい、紫外線による角膜の炎症です。目のやけど(日焼け)のようなものですね。


快晴の日の車の運転って眩しいですよね。そんな時の、アスファルトの紫外線反射率は10%前後。
夏の砂浜もずいぶんと眩しいですが、それでも10%~25%程度と言われています。
それが雪面の上では80%にもなります!
そんな多くの紫外線が、アナタの黒目に降り注ぎます。
こればっかりは神の愛のごとく、老若男女、万民平等に降り注がれます。


眩しさを感じる度合いって人によって様々で、「ワタシ、眩しいのには弱いのよね~」という人はある意味で安心です。サングラスをかけないと目を開けてられないので。


怖いのは、あまり眩しさを感じないタイプの人。←ワタシはこれ
ワタシはかなり鈍いようで、快晴の雪の中でサングラスやゴーグルなしでいても、あまり「まぶしーっ!」と思いません。
若かりし頃なんて、「へっちゃらなオレってやるな!」ってなくらいのバカでした。


そんなバカで鈍い若者に、神は紫外線という罰を降り注いできたのです。


かつて山で働いていた20代の時のこと――。


働いていた場所は、標高2600m近くにある山小屋。雪は15mをゆうに超えるほど積もる一面の銀世界。
一般の人は4月半ば以降に入山できるようになるのですが、従業員はそれよりも数週間早く山に入り、除雪をし、水の確保、冬の間に壊れた所の修理など、小屋を開ける準備をします。
ほぼ毎日、一日中外仕事です。当然周りは一面の雪に覆われています・・・。


そんな中、若くて鈍いワタシはノーサングラス。
さらに、高標高の山では紫外線量が平地よりも多くなる、なんてことをバカな若者は知るよしもありません。


作業中は特別に何か違和感があるわけでもなく、眩しくて目も開けられないというわけでもなく(鈍いので)、フツーに作業してました。


がっ!


その日の夜、悲劇が起こりました。
(どうやら雪目の症状は、紫外線に晒されて6時間後以降に症状が出ることが多いようです。)
涙がボロボロと出てきて、ドロッとした目ヤニも出て、目玉の裏側あたり(?)が痛くて目が開けられません。
“剣山” にずっと目玉をチクチク刺されている感じ。


まぶたを閉じても、ずっと枕元にいる誰かがワタシの目玉を剣山でチクチクと刺してきます。
160321.jpg


とはいっても、ここは山奥。一般の人が入れない時期に入山しているので、下山もできずにひたすら我慢。
一晩中、チクチクチクチク・・・プスプスプス・・・・・・寝られません。
目ん玉が痛いんだから、もうどうしようもありません。目ん玉って、痛くなるんですね。


通常は、眼科で点眼麻酔薬をしてもらって痛みをやわらげ、抗菌薬、角膜保護薬の眼軟膏で治療をするらしいです。症状は翌日か長くても数日で治るとのこと(後から知ったのですが)。
ワタシは “ひたすら我慢” という荒療治で、次の日の夜にはやっと眠れるようになりました。


対処法としては、サングラスやゴーグルをすりゃいいだけです。いたって簡単。


春のスキーや森林散策では、眩しさを感じなくてもキチンと目を守りましょう。ホント、痛いですから。

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