2015.8.16 18:30
動植物の名前の由来には色々なパターンがあります。
1、発見場所の地名や発見者・命名者の名前からとるパターン
ヤマハナソウ(札幌市山鼻地区藻岩山で発見されたことから)
チョウノスケソウ(植物採集家須川長之助から)
リンネソウ(分類学者リンネから)
2、見た目から
ネジバナ(花がねじれて並ぶことから)
アカハラ(見たまんま、赤い腹だから)
3、2に近いですが、他の似たものから借用するパターン
ヤブレガサ(破れた傘)
オドリコソウ(編笠を被った踊り子のような花姿から)
カワガラス(川にいるカラスから)
ハナイカリ(錨に似た花姿から)
他にも、生態に基づいていたり、古語に由来したり、訛ってしまって今の名前に変化したものなど、あげたらキリがありません。
また、
「イ」という、ひと文字だけの植物(畳の “い草” ですね)や、
「ヒロハヘビノボラズ」(刺が多くてヘビも登れないことから)といった変わった名前―
別名まで含めると、「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(龍宮の乙姫の元結の切り外し)」(=アマモのこと)なんて名前もあります。
ところで、今日は “耳かき” を探してました。
「ムラサキミミカキグサ」
花は3mm程度で、草丈も3~10cm程度の極小な “耳かき” 。
その上、
「湿原内の、初夏までは水に浸かるような場所で、花期の盛夏になると水が干上がるような場所で、だけども乾燥しきることはない場所で―」
という、とても微妙な環境に生育しているようでした。
名前を知るのも楽し、
環境を読み取るのもまた楽し、です。