2017.3.28 15:33

「フクジュソウとシャク」

先日、こんなのを見つけて「ほぉぉー、こりゃ面白い!」とひとり喜んでました↓。
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「フクジュソウって、花が咲いてすぐに、こんなに葉を開く個体もいるんだ~へぇ~。」
と思った後に、
「いやいやいや……。」
騙されそうになりました。


上の写真は、シャクの葉の中でフクジュソウの花が咲いている状態で、両種が混在しています。
葉の展開具合によっては、このふたつは間違えやすいので、要注意ですよ。


というのは、シャクは俗にコジャクと言って山菜として食べられます。
フクジュソウは猛毒です……。


食べてみれば確実に見分けられますが、しばらくすると口内が痺れてきて、呼吸麻痺・腹痛・嘔吐・痙攣、ひどい時には死……という、悪質な連続攻撃。
まったくもっておススメしません。


フクジュソウは、前年の秋に蕾を地中に作って越冬、翌春一番に蕾を地上に出します。
なので、開花してすぐではまだ葉が開いていません。
前年分に溜め込んだエネルギーだけで、開花させているわけですね。
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開花後しばらく経って、やっと葉が展開しはじめます。
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一方、シャクは夏の花。
だけど芽吹きはかなり早く、フクジュソウの時期に地上に出てきます。当然蕾はまだありません。
早春の明るい森の中でいち早く葉を出してエネルギーを生産し、夏の開花に向かいます。
このシャクの芽吹き直後が、フクジュソウの葉を思わせます。
(↓シャクの芽吹き)
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この近くに、花を付けていないフクジュソウがあったら・・・
(↓花茎を付けていないフクジュソウの芽吹き)
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一見、よく似てますね。
周りにシャクがあれば “シャク” と言い、フクジュソウがあれば “フクジュソウ” と言って、決めつけちゃいそう。


じゃ、違いは?といえば、シャクはセリ科植物なので葉をちぎるとセリ独特の匂いがするのが一番の特徴(フクジュソウは無臭)。
また、シャクの葉の根元には茎を抱くような “はかま” があります↓。
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シャクの葉裏には微細な毛があることが多いですが、これは次第に脱落するようで、毛のずいぶんと薄い個体もいます(フクジュソウは無毛)。
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さらに、シャクは株状に生えるので面的に広がるけれど、フクジュソウは(面的に生えているように見えても)一本立ちで生えるので、茎の根元を見ると分かります。
あとは、フクジュソウの葉の方が白っぽくて鋭角な印象、シャクは赤っぽい傾向にあるように思いますが、これは個人的感覚なので参考程度に。


そして5月も半ばを過ぎれば、葉はすっかり大きくなります。
フクジュソウの葉は茎に流れるようシャープな見た目。
(フクジュソウ葉展開後↓)
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こちらはシャク展開後↓。
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葉が展開してくれれば、葉だけを見てもこれらを見間違うことはないでしょう。
まぁ、ここまで大きくなったら食べる人はいないと思いますが。


実際に野外でこの二種が「似てるな」と思うのは、この、
『芽吹き直後で葉が開いていないシャク × 芽吹き直後の花茎を付けていないフクジュソウ』
が同時に見られるタイミングかと思います。


特に山菜好きな方は、ご注意を。