昔、「カネオクレタノム」という有名な電文（電報文）例を聞いたことがあります。
「金、送れ、頼む」
「金をくれ、頼む」
「金、遅れた、飲む」
カタカナ（ひらがな）ばかりな上、句読点がないと、日本語はいろんな意味に取れちゃうので、きちんと伝えましょう、というもの。

しかし、植物の種名（和名）はカタカナだけで表記するので、似たようなことが起きます。

『ヒメノガリヤス』（山地の道端に生えるイネ科の植物）
昔、ヒメ・の・ガリヤスかと思ってました。「ガリヤス」って何よ！？
ホントは、
ヒメ・ノガリヤス。
ノガリヤスとは「野刈安」。「野に生える刈り取りやすい草」という意味。それの華奢な感じなので、「ヒ
メ」。

こちらは、『ミヤマノキシノブ』
これも、ミヤマ・の・キシノブかと思ってた。「キシノブ」って誰よ！？
ホントは、
ミヤマ・ノキシノブ。
ノキシノブとは、「軒忍」。茅葺き屋根の家の軒下に生える「忍（しのぶ）」。（“しのぶ”とはシダの古名）。それの「ミヤマ（深山）」に生えるもの。

さらにこちらは、『クサレダマ』
「腐れ玉」ではありません。何が腐ってるのよ！？
「レダマ」とは、江戸時代に渡来した“レダマ”の木（マメ科の落葉低木）のことで、それと似た草なので、クサ・レダマ。

他にも、神仙沼にあるタチギボウシは、タチ・ギボウシ。タチギ・ボウシ（帽子）ではありません。
「ギボウシ」とは、橋の欄干にある擬宝珠（ギボシ）のこと。

恥ずかしながら、他にも長い間勘違いしていたものがたくさんあります。
覚えにくいものは漢字を調べて覚えるといいのですが、勘違いの経験があると一回で覚えられていいんです。