2016.10.30 17:07

難問

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今朝は起きたら雪が5~10cm近く積もっていました。今日の予想最高気温は3℃ほど。
ついこの前まで本州で植物を見ていた身には、ツラい寒さです。さすがニセコです・・・。


そんな今日は、地元のカタクリ群生地の保全作業に参加してました。
7~8年前からずっとお誘い頂いていたのですが、どうしても仕事の日程的に行けないことばかりで心苦しい限りだったところ、今年は先日東北出張も終わってやっと参加できました。


ボランティアで、しかも地元だけでなく札幌からわざわざ来ている方もいて、10年以上に渡り保全作業をしています。
雪もちらつく寒い気温の中、来春に向けて倒木を処理したり下草を刈ったりの作業で、頭が下がります。


「来年もカタクリの花を始め多くの花々が咲くように最低限の管理をしつつ、自然に触れ合える場所を―」
という目的の作業なのですが、当然多くの花々が自生していれば訪れる人も年々増えるわけで・・・。
人が増えすぎれば自然は荒れる可能性が増えるわけで・・・。
だけども、人間の管理はあくまで最低限にしたいわけで・・・。


まぁ、この「保全と管理」という問題はホント、難しいですね。
自然ガイドなんてことをやっているとこの問題に常に直面しているわけで、相変わらず一定の解決策はありません。


「柵ですべて囲ってしまう」とか、「誰も入れさせない」というのが究極の保全なのですが、そういった方法を取らずに地元の人々が試行錯誤を繰り返してバランスの良い保全を目指す、というのが、とりあえずは正解なのかもしれません。


あまり突っ込んで考えすぎると何も出来なくなるので、まずはやるべきことをやって、来年も多くの花々が楽しめるよう・・・。
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2016.10.28 16:35

ニセコへ

帰ってきましたよ!


2週間以上にも及ぶ東北での仕事も順調に終わり、新潟・福島両県の自然を毎日じっくり見て、珍しく観光も少しして、満喫しすぎるほどでした。


夜は美味しいお酒を飲んだり、「これでもか!」というほど図鑑をめくる毎日。
思わぬ友人の来訪も受けて、充実の日々。


これでグリーンシーズンの仕事もひと段落。
冬のツアーは雪が積もらないとハナシにならないし、それまでは学校の講義と細かい単発的な仕事ばかり。


さてさてその間にものすごい量の写真とメモの整理を・・・・・・・・(これはうんざり)。
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2016.10.26 17:20

北から南へ行くと

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まだ東北出張中です。
北海道とは違う森の姿や動植物を見る毎日で、とても楽しく勉強できています。あっ、仕事ですが(笑)


植物の多様性って、基本的には南の地域の方が豊かなものです。
北国では、他に大して選択肢がなければ、さほどキチンと見なくても見分けられるものってたくさんある訳で、例えば北海道での野菊の仲間なんてそう。
それが南へ行くと一気に考えるべき選択肢が増えて、改めて、今までの自分の見ていなさ加減を実感することが出来ます。


そんなトコロを今回、ワタシ的に少し分かっているふうに思っていた「シダ植物」でもよく感じています。
北海道では大して選択肢がなかったのに、南下すれば一気に考えるべき選択肢が広がり、もっとシビアに観察してもっと色んなことを知っていないと、現地で見えてこないこと多数。
まだまだ修行が足りません。


動植物って、南から北へ行く分には選択肢が狭まることが多いのですが、北から南へ行くと新規で覚えなければいけないことが一気に増えちゃうんです。
だけども気持ちが負けなければ、そこも楽しいものです。
そんな風に、ワタシも自身の経験値アップを図っている毎日。


↓本州から九州までの道端などによくある「キツネノマゴ」。北海道には自生しません。
花が終わっているとはいえ、そもそも本州の道端をキチンと見ていないので今まで気付きませんでした。
こんなのばっか。
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ガイド仕事をやっていると、日本中の色々な地域からお客様に来ていただいてます。
となると、ガイド自身がお客様の地域の自然を出来るだけ分かっていた方がいいに決まってます。
そう信じて、そんな果てしない感じを楽しんでマス。

2016.10.24 17:25

止まった時間

登山道のない山奥のヤブの中をずっと歩いていると、何十年も経った切り株に空き瓶がありました。
ビンには「GODO」の文字が・・・。
「合同酒精株式会社」の焼酎のビンでしょうか。
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林業の盛んだった時代、強者の男達が木を伐って、焼酎で一服。
そんな、いにしえの森での声が聞こえてきそうな風景でした。

2016.10.22 19:13

北国では見慣れぬもの

新潟県で数日滞在しています。
先日までいた福島県に比べると、海の影響もあってか常緑性の樹木や常緑シダも増えて、森の姿や個々の植物も違っています。
それがまた見慣れぬものばかりで楽しい。
宿での夜の時間は図鑑との戦いとなるので、超タイヘンですが(笑)


ヒサカキの実
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オオキジノオ
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北国にはカナワラビの仲間はいませんが、こちらのシダは色が深緑でシックな感じ、外形はシャープ。
かっこいいシダでした。お気に入り。
オニカナワラビ
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野生のサルが普通に道路を横断してました。
地元の人には珍しくもないのでしょうが、北海道人には目新しい風景です。北海道で言う、キタキツネみたいなものでしょうか。
北海道にはサルは分布してないので、とても新鮮。

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北海道で探していますがいまだ見たことはありません。
こちらなら森にたくさんあります。
ヤブコウジ
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こんな山間部の里山の風景と足元の雑草たちも、北海道にはないものばかり。
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北海道にもある “ホソバナライシダ” かと思っていたら、キチンと見たら別モノでした。
コバノイシカグマ。
知らないと見えてこないものですね。
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自然のスケール自体は北海道の方が大きいのですが、とてもいいい自然の姿です。
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明日からは再び福島県へ。奥会津地方へ移動です。

2016.10.19 19:07

急峻な山々

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会津から移動し、今日から新潟県の山奥に来ています。
福島と新潟の県境あたりは日本でも有数の豪雪地帯。
凍結の繰り返しや雪崩の作用で削られた地形(雪食地形)が広がる地域です。


となると・・・
恐ろしくなるほど・うんざりするほどの急な斜面と、ナイフリッジと呼ばれるような切り立った尾根ばかり。
ただやっぱり、こんな場所独特の森が広がっています。


ネットもままならない場所に4泊ほどする予定なので、ここでの更新は少し難しいかも・・・です。

2016.10.17 16:55

東北にて

仕事で東北へ来ています。
昨年も今春にも来ている会津地方です。


ここいらはかれこれ5回目の来訪となり、いつも適度に “広範囲に・かつ狭い範囲を”(?)歩き回っています。
こうなるとワタシ的にもだいぶ、大まかな個々の植物と森林の姿が把握出来てきた気もします。
アウェイではこういう歩き方がいいですね。


気づけば、9月末の大雪山周辺での紅葉から始まり、道北、道東、道央、道南と各地で色づく森を見てきました。
ここでの紅葉はまだこれから。
ニセコに比べたら、季節感が2~3週間は逆戻りした感のある会津地方です。
帰る頃には紅葉にいい季節となるでしょう。


長い秋です。


(ヒトツバカエデは少し色づき始めてます)
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(うつくしま・ふくしま)
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2016.10.15 17:35

ツートンカラー

トチバニンジンの実。
私が塗ったわけではありませんよ。作り物みたいですが。


見事なツートンカラーでした。
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2016.10.13 15:49

出張前に

先日、出張前にいつものフィールドワークへ行ってました。
道内で気になっている場所へ。


狙いは色々ありますが、まずは今春に見つけていたヒメノキシノブ。
道内ではなかなか見られない着生シダですが、何せ “着生モノ” なのでいつも遥か頭上で見づらい・・・。


もう少し見やすい個体を探して・探して・・・やっとあった。
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気になる植物だけでなく、気になっている風景も見に。
圧倒される美しい風景ですが、地質の勉強もできそうですね。
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海岸を走っていると塩湿地もあった。
ここでも植物観察。
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日に日に日没が早まっているので、少し慌ただしい一日でした。

2016.10.11 16:25

もうひと踏ん張り

10月になると徐々にガイド仕事も落ち着く季節となり、ここ数日はガイド仲間が顔見せに連絡をくれたり、ワタシも顔を出したりして久しぶりの近況報告をしあってました。
こんなことも、晩秋の様相です。


さて、今年のグリーンシーズンのツアー予約分は、あと一回を残すのみで終了です。
今年も5月以降のグリーンシーズンでは、数多くのお客様とご一緒できました。

相変わらず団体ツアーなどの大きなツアーは行っていないので、ガイド会社的にいう “数多くのお客様” というほどのスケール感ではないのですが、その分、すべてのお客様とツアーを記憶できるスケール感がワタシ的には丁度良く、充実のグリーンシーズンでした。
新規で申し込んで頂いたお客様、わざわざツアーのためにニセコに来てくれたリピーターのお客様、本当にありがとうございました。


なんて、年末のご挨拶みたいですが・・・・・・、
調査仕事も先日でほぼ終了となりましたので、こんな気分なのです。


さて残すところの仕事は、東北へ出張仕事。
明後日からほぼ10月いっぱいまで行ってきます。


初冠雪も済んだニセコですが、季節を2週間ほど逆戻りして自然をみるための修行をしてきます。
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2016.10. 9 17:41

晩秋

今日まで道東に行ってました。


道北・道東はすっかり晩秋。
少しでも標高を上げれば、木々の葉は落葉を始めています。
さすがに咲いている花はもうほとんどなくなり、少し寂しい雰囲気です。


そんな中、“赤ひょうたん” がぶら下がってました。
エゾヒョウタンボク
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2016.10. 7 16:50

やってきた

今朝、窓から外を覗くと、羊蹄山もとうとう初冠雪。
やってきましたね・・・雪。
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ついこの前まで「暑い暑い」と言っていたのに、あっという間ですね。
この時期だと身体が寒さに慣れていないせいか、冷たい風が身にしみて、一層ツラい・・・。


さすがに “北海道で10月から咲く花” というのはほとんどないのですが、これら↓が唯一でしょうか。
今年も会いに行ってきました。


センブリ
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キッコウハグマ
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ワタシ的には、冬はまだ先ですので。

2016.10. 5 16:03

高曇り散策

今日は絶好の秋晴れ!
快晴というわけではありませんが、薄い雲が空高く―の “高曇り” の天気なので、展望は山頂までくっきり見えてます。
そして、昨日までスゴかった風も収まり、少し肌寒い風が心地よい微風。
こんな天気は写真撮影にピッタリです。快晴の日だと光の加減が難しく、強風の日には被写体ブレばかり。写真撮影には不向きです。
そんな、なかなかない、絶好の散策日和でした。


そんな日の今日は、写真好き・自然好きなお客様と湿原散策でした。
運を持ってますね。


北海道の様々な湿原を歩いたことのある方ですが、改めて、
「湿原という環境をキチンと見て・周囲の森も見て・湿原以外の自然も見比べて―」のツアーでした。
ニセコのメジャーポイントである神仙沼湿原でのツアーだったのですが、相変わらず、移動中もフラフラと色々な場所に立ち寄り、そこの自然を見て・・・どこが目的地なのか・・・でした。


年一回の北海道自然旅行がイベントのお客様。
今までと少し違った視点で、また様々な場所の自然を見て・感じて・楽しめれば何よりです。
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2016.10. 3 17:21

晴れから雨に・・・それでも

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私のブログにはあまり登場しないようなこの写真。
昨日までは、旭川の都市公園で仕事をしてました。


自然環境や分布と繋がりがない、人為的に植えられた植物を見ながら、
「いや~、こういうモノをキチンと見る、って難しい!」
と唸りながらのお仕事。


秋晴れの週末、家族連れやらカップルやらがたくさんいる中、こんな↓アスファルトの隙間の植物まで見ているものだから、まぁ少し怪しいです(笑)
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そして今日のツアーは雨。全道的に一日雨!
それでもお客様は、
「雨でもよろしくお願いします~」
なんて言ってくれるものだから、出来るだけ強雨を避けて動き回り・・・だけどもあまり歩き続けて寒くならないように、の一日ツアーでした。


色々なタイプの森を見ていたのですが、何せ雨の一日。
森の中は暗い暗い。シャッタースピードなんてもう遅い遅い。撮ってもパッとしない写真ばかり。
写真はぜんぜん撮れませんでした。
その分、雨に濡れた重厚な森の雰囲気を目に焼き付けて・・・の一日ツアーでした。
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2016.10. 2 20:24

誤変換

こちらのシダ、「ホソイノデ」と言います。
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ふと気付いたのですが、パソコンで変換するとたいてい最初は、「細いので」と変換されますね。
シルエットが “細い・ので” ホソイノデということでいいのでしょうが、イノデの仲間なので言葉の切れ目は、 “ホソ・イノデ” です。


どうでもいい話しですが。


ところで、ダイモンジソウがキレイでした。
※これはその名の通り、花姿が “大の字” なのでダイモンジソウ(大文字草)です。
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