2017.7.31 16:06

山の花たち

先日は大雪山の北の方、いわゆる北大雪エリアを歩いてました。
ワタクシ “自然ガイド” なので、山岳エリアの大雪山山系をガイドすることはしていないのですが、今回は高山植物群落の調査仕事です。


文章うんぬんを書くよりも、写真で大量にどうぞ。


登山道脇から。
ミヤマチドリ
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ミソガワソウ
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ハクセンナズナがたくさん
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水辺にはフキユキノシタ
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葉っぱがあったので探してみたら、数輪だけ花が残ってました。
キバナノコマノツメ。これも湿った環境に生えます。
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蕾もまたいい。コバノイチヤクソウ
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モミジカラマツ
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蕾でも良く目立ちます。チシマヒョウタンボク
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エゾウサギギク
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標高を上げれば、まだ雪が残っている所もあります。そんな雪田環境を、キチンと見たかったのです。
エゾノリュウキンカ。里では四月の花ですね。
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見たかったひとつ。オクヤマワラビ。
高山の雪田環境に生えるシダ。
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レースのような美しいシダでした。
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こんな花も……リシリスゲ。
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雪田付近は美しく……エゾコザクラとミヤマキンバイ
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凸地形には、アオノツガザクラ
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雪田脇の草原には、チシマノキンバイソウとミヤマキンポウゲの競演
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雪田付近は季節の進みが遅く、チングルマがまだ元気な場所もあります。
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大雪山らしく、ウズラバハクサンチドリ
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稜線に近づいてくると、ハイマツ林下にはリンネソウが。
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ミヤマリンドウもたくさん。ボケてるのがイマイチです(笑)
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イワブクロ
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稜線
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チシマツガザクラ
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タカネシオガマとウスユキトウヒレンの競演
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タカネシオガマは上からのアングルがいい
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稜線のチングルマは綿毛
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気づかれにくい、ムカゴトラノオ
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現地では何だか分からず、バシャバシャと写真を撮っていたら、ハナバチが偶然写り込みました。
カラフトゲンゲ
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いい山旅でした。仕事ですけど(笑)
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2017.7.29 18:47

ドクウツギ

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先日、久しぶりにドクウツギを見ました。3年ぶりくらい。


トリカブト・ドクゼリ・ドクウツギは日本三大毒草とも言われ、その中でもこのドクウツギは何ともまぁ美味しそうな実をつけます。ついつい熟した実をパクッとしちゃいそうです。
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だーめーでーすーよーーー!!


猛毒ですので、痙攣やら呼吸困難やらで苦しみながら、死神のお迎えが来るかもしれません。


かつて、そんな誘惑に負けた子供の誤飲があって駆除対象となった経緯もあり、今やほとんど見ない植物となりました。


しかしこのドクウツギ、一属一種の珍しい植物です。
つまり、ドクウツギ科ドクウツギ属に分類される植物は、世界中にこの「ドクウツギ」しかありません。仲間がまったくいない植物。


孤高の毒草……


やっぱりなんだか強そうです。


しかも、世界でも飛び地で数か所の地域に生育しているだけ(隔離分布)。その内のひとつが日本です。


フシギですね~。


「試しにちょっと食べてみたい・・・」
という衝動が起きましたが、まったくシャレにならんので我慢しました。
大人ですんで。
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2017.7.27 17:46

ない

夏になると、水でズブズブになるような湿地には「ヨシ」という植物が大きくなります。
いわゆる “ヨシ原” ですね。


夏の植物調査仕事では、こんなトコロも歩かねばなりません。夏の風物詩・ヨシ原歩き。
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足元はズブズブで水だらけ―、地面は生長したヨシで暗い―。
こんな場所には限られた植物しか生えないワケで、心ときめくような出会いはそうそうありません・・・分かってます。


だけど、「ない」ということを確認するために歩く必要があるワケで……そんなことを「頭で知っている」ことと「身をもって知っている」ことは自然ガイドとして大きく違う(ハズ)、と信じて今日も歩いてます。


やっぱり、特に何もありませんでした。。。

2017.7.25 16:05

イワトラノオ

数年前に初めて見て、再度、別の場所での出会いを探してました。


やっと出会った。イワトラノオ。
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5cm程度の小さなシダ。湿った岩に着生しています。
もう少し大きくなるのですが、小さな個体が多く、それがまた可愛らしい姿でした。


先日はこれを探しに数百kmを走り回ってました。
満足。

2017.7.23 17:39

タチギボウシ

7月下旬~8月上旬にかけて、ニセコの湿原でタチギボウシが見頃を迎えます。


2016.7.28 神仙沼湿原
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2014.7.24 鏡沼湿原
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2016.8.3
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道内の一部の湿原ではシカ食害のため数が減っている所もありますが、シカの少ないニセコではまだたくさん見られます。


ずっとこんな景色が見られるといいですね。

2017.7.22 12:15

出張観察会

昨晩のニセコは豪雨が降ったようで、「昨日の雨はスゴかったよねー」なんて声も聞くのですが、ワタシは熟睡。
睡魔の方が勝っていたようで、雨が降ったことすら知りません。


さてさて、そんな日の日中は、お客様の地元に出向いての観察会でした。
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当日は私自身もどこに行くのかよく分からず、行く場所はお客様任せ。
見る動植物はぶっつけになってしまいますが、それはそれで楽しいものです。
朝イチから夜遅くまでフル回転の一日。
それだけパワーを使えば、夜は熟睡も出来るってものです。


お客様が普段歩いている場所をご一緒したり、新たな魅力探しをしたり、の一日。
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新たな視点で地元を見てみたり、自然を楽しむために歩き回るきっかけになれば何よりですね。


そういえば先日、歩いていたらサワヒヨドリが目立つほどに伸びてました。
晩夏~秋の花のイメージですが、季節がどんどん進んでいます。
ヤバい……。
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2017.7.19 18:26

黄色

ニセコでツアーをやっていたかと思えば、今は道南に来ています。


黄色の花がたくさん咲いてます。
夏っぽい。


セイヨウミヤコグサ。
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2017.7.17 18:56

レディースチーム

今日は若い大学生と自然ツアー散策。


わざわざ札幌を朝早くから出発し、交通費を払って、ガイド料金を払って―そこまでして参加してくれるなんて、なんとまぁありがたいことです。
学生さんにとっては、安くない出費でしょうに……。


豪雨が降った昨日に引き続き、今日も一日雨予報だったのですが、みんな実習などを通じて装備が万全なので安心。となればこちらも多少の雨なんぞ気にしない。
雨でもどんと来い!です。
しかし、なんとなんと!ほとんど雨にあたることなく、一日歩き回れました。
奇跡的に雨雲の隙間にいたようです。


さてさて、こちらのレディースチーム、大学ではそれぞれ植物や地質・ヒグマなどの勉強をしているそうですが、ワタシ的には「自然をみる」という意味では何を専門にしようが見方は一緒かと思っています。
なので、相変わらずの “個をみて・全体をみて” 自然を観察。時に専門的に・・・。

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いつものヤブキ用語やヤブキ検定まで繰り出して、通常なら片道1時間かからない道のりを、3時間以上かけて歩いてました(笑)
だって、質問も多数・興味も多様なんですもの。これだけ時間をかけられる、ってスバラシイです!


学校では教わらない、自然の見方や楽しさをツアーを通して感じてもらえて、
「何のために識別力を磨いたり、知識をつけているのか」
ということが結果的に楽しく感じてもらえれば、ガイド冥利に尽きるというものです。


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ひたすら見ている写真ばっかり(笑)

2017.7.16 20:44

雨の一日

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予報通りの雨。
ツアーは中止になりましたが、豪雨の時間もあり、中止で良かった。


とはいえ、プライベートならどんな天気でもそうそう負けませんよ。


雨で急遽休みになったからこそ、気になっている場所へフィールドワーク。


雨に濡れたキンセイランをたくさん見れました。
2年ぶりの出会い。
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2017.7.15 21:23

暑い・・・

ここ数日ずっと暑いです……。
これならきっと北海道人でなくても暑いです。


先ほど道東からニセコに戻ってきましたが、十勝地方の最高気温は37℃超え。
悪意を感じる、殺人的太陽光線でした。


ワタシだけでなく植物も、この暑さにグデーっとまいってました。
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だけども、明日は雨。
そんな時に限ってツアーの日。
一日中の雨予報なので、ツアーは中止になっちゃいました。
でも、
「別日でお願いできますか?」
などと言ってもらったので、“キャンセルではなく延期” となりました。
ありがたいことです。


今年はここ10日近く唖然とする暑さですので、体調管理にお気をつけ下さい。
(↓唖然)
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2017.7.12 20:23

タッチ&ゴー

さっき、こんな所から帰ってきました。
道東にある、風穴のある森。
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明日の朝イチからは札幌へ行って講義、そのまま道央でひと仕事したら、また釧路まで。
週末にはニセコでツアーがあるので、またすぐに帰ってきます。


なかなかの動き。


2017.7.10 18:05

ワタスゲに会いに

雨が心配な天気の中、湿原歩きの日。
「ワタスゲと湿原植物が見たい」
ということで、鏡沼湿原をメインに歩いていました。


湿原歩きといっても鏡沼は森林歩きも1時間弱あるので、森林から湿原の植物を幅広く見れて、観察好きな人にはぴったりの道のりです。


5月にもご一緒した皆さまですが、まぁ、自然好きな人たちなので、見るものが細かい!
質問が飛び交い、話しが尽きません。


コースタイムよりも何倍もかけて湿原に到着し、今度は湿原植物を観察。
念願のワタスゲ群落もキレイでした。
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到着すればいつものように放置なので、「何か分からないモノ・発見があれば教えてねー」ということで、ワタシは木道脇のホロムイスゲなんぞを撮ってました。
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ここまで予想された雨もなし!


お昼もゆっくり食べて、気持ちの良い風を感じ、湿原を満喫。


さぁさぁ、帰りましょ。


しばらくすると、やっぱり……
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とりあえずさっさと車に避難して、雨の降りを見計らいつつも「まだまだですよぉ~」ということで別場所に移動して歩き回り、幅広く見る、盛りだくさん一日ツアーでした。

2017.7. 8 17:06

暑い……

ここ数日は、ニセコでは珍しく猛暑です。
猛暑、といっても30℃にいくかいかないか程度なので、本州の夏に比べれば笑われそうですが。


「あ゛~、暑い~」
と言いながらも、いつものように歩き回ってます。


涼しげシリーズをどうぞ。


名もない沢。
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そよ風。ホソノゲムギ。
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流水。ナルコスゲ。
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永久凍土の森。
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残念ながら、写真から冷気は伝わりません。

2017.7. 6 18:27

ニセコ羊蹄山岳会コマクサ

今日は目の前の羊蹄山へ。


ニセコ羊蹄山岳会の大事な活動のひとつ、コマクサ除去活動です。
『なんのためにコマクサを除去するのよ?!』
というトコロは毎年語っているので、詳しくは→こちら


朝5時半、出発前の打ち合わせ。
今年はニセコのガイド仲間に加え、学芸員、大学生など、15人近い大所帯です。
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これだけガイドがいると、登っている最中の雑談もまぁ~マニアックで、笑えます。
ワタシも普段は話さないコトばかりを話してます。
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天気は最高!
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まずは9合目あたりで作業です。
登山道から外れて、急なガレ場を慎重に下りながら、小さなコマクサを探します。
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コマクサに罪はありませんが、見つけ次第、ひとつひとつ掘り返して除去。
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当然、ワタシも作業しているのですが、さりげな~く花の写真に興じてました。。。
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こんな写真も。
さわやかガイド夫婦。「ニセコメッカ
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いつも元気な大学生。ワタシもまだ負けてません。
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作業後は個体数報告。
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もう7年近くやり続けている作業ですが、今年もまだ数十個体のコマクサが見つかりました。
元の状態に戻すには、まだまだです……。


さてさてワタシは、もう少しで山頂だというのに、そこは今回の目的ではないので早めの下山。
明日は明日で、またニセコを離れて道なき道を歩かねばならないので帰ります。その後はツアーもあるし、疲れすぎは禁物なのです。
他のメンバーの多くは泊りがけ。いいなぁ……。


まぁ、充分仕事しました・・・写真を撮っていたばかりでスミマセン(笑)
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2017.7. 4 15:55

雨の中

先日まで北海道の東の端にいましたが、今は真ん中あたりにいます。


北海道はホント広いです……実感。また、本州と違って、道路は広くて空いています。
なので、動き回ることも本州ほどツラくありません。本州に比べると、同じ時間で遥かに遠くまで行けます。
動こうと思えば動き回れるんです。


そして、自然の姿は少し動けば違ってくるもの。


だったらフルに動き回って北海道各地の自然を見れた方が面白い。


ということで、
雨模様の一日でしたが、相変わらず歩いてます。
今日は、雨とナンブソウ。
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明日の夜にはニセコに戻ります。

2017.7. 2 19:20

最果て

根室を歩いています。
北海道の東の端。

昨年も歩きましたが、ホント、日本離れした自然です。


7月になったというのに、マイヅルソウが咲いていました。
というか、そもそもすごくキレイな針葉樹林で感動します。
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海沿いの標高50m程度の場所に、普通は亜高山帯の植物のコケモモ、ゴゼンタチバナ、エゾゴゼンタチバナなどなど。
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火の用心にオオワシ。なかなかない組み合わせ。
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いかにも、な海岸草原。
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スバラシイ!
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見渡す限りのワタスゲ群落。
普通の道路脇にあります。観光地でもなんでもありません。
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う~ん、スゴい。

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