2012.3.31 16:26

「鳥見の会」 2012

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今年も鳥の季節がやってきました。
今や恒例の「鳥見の会」開催です!
鳥を覚えるならこの時期がイチバン!
この時期を逃したら、来年に持ち越しですよ~。


(クリックで拡大)

鳥見の会2012


今年のPoint!!

■4/22(日)には、「プレ鳥見の会」として、
・図鑑について
・双眼鏡について
・見られそうな鳥たちの予習
などを室内にて。
野外であまりお話できない部分にふれます。


■さらに毎年ニセコで実施している観察会に追加して、今年は、5/12(土)に洞爺湖地域でも開催!
洞爺湖で活動している自然ガイド、飯田理氏のご協力のもと、実施となります。
虻田・洞爺湖地域の人でもお気軽に参加しやすく、また、ニセコでの回と通して参加すると、
それぞれの地域間での環境の違いまで感じられます。


■さらにさらに!最終回は半月湖にて、朝イチの鳥見を体感!!
かなり朝早い実施ですが、溢れかえるさえずりの素晴らしさは別世界です。
この時期ならではの、鳥の声に溢れる森を感じてみませんか。




それぞれの回から(のみ)の参加も可能ですが、続けてのご参加でより理解が深まります。
鳥を覚えたいけど、識別は難しいし・・・一人で覚えてもちっとも・・・、という方、
この機会に野鳥観察の楽しさを感じてみませんか?


お誘い合わせの上、是非ご参加下さい。
※各回先着12名程度で、事前お申し込みが必要です。


お申し込みは、コチラ←

2012.3.28 17:48

「雪虫」

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3月に入り天気の良い日に森の中を歩いていると、黒い昆虫が雪上を歩いているのを見かけます。
カワゲラやユスリカの仲間たちなのですが、その中でも翅(はね)のないカワゲラはセッケイカワゲラといいます。


今日もたくさんのセッケイカワゲラがせっせと歩いていました。
虫の存在を忘れてしまう厳しい冬が過ぎ、太陽の下、一面の雪の上をえっちらおっちら歩いている姿は、
「春だな~。暖かくなってきて虫も喜んでるんだなぁ~」
と、ほのぼのと感じます。




セッケイカワゲラは春の季語にもなっていて、歳時記でいう「雪虫」。
北海道で「ユキムシ」というと初雪の到来を告げる晩秋の虫なのですが、歳時記ではそちらは「綿虫」。
春の雪虫(=セッケイカワゲラ)は、「雪消し虫」とか「雪解虫」などとも言われます。
やっぱり人間にとっては、春到来!のムシなんです。


しかし、このセッケイカワゲラ、暖かさを喜んでいるわけではなさそうで・・・。


生きていける温度域は-10℃~+10℃くらいと言われています。
手の上に乗せただけで、人間の体温で体が麻痺してしまい、動きが鈍ってしまうほど。
+20℃ほどの気温になると死んでしまいます。


生活史もなかなかユニーク。
生活の場は年間を通して水温の低い川。
春~夏まで幼虫は水中の中でほとんど成長せずにじっとして、秋に落ち葉などを食べながら急速に成長します。
そして冬になると、成虫となって陸に上がります。


さてそこからが試練。
水の中にいる幼虫時代は、川の流れによってどうしても下流側に流されてしまいます。
成虫になってそのまま産卵すると、川の下手の方にばかり卵が溜まってしまいます。
それではイカン。


そこで、翅(はね)を持たない成虫は、幼虫時代に流されてしまった分を取り返すべく、上流に向けて歩き出します。
しかも気温が上がっちゃったら、動けなくなっちゃう・・・。
なんとか寒いウチに上流に着かねばなりません。
体長1センチほどの体にとっては、数百m、時には数kmの道のりは果てしないわけで・・・。
そりゃ必死でしょう。



しかしどうして、“自分が今、川沿いを歩いている” と分かるのか、不思議に思ったことがあります。
1センチほどの虫の視界では川は見えてないだろうに・・・。


やっぱり同じような疑問を持って研究する人がいるもんで、
どうやら、体内に太陽コンパスをもっていて、方向を間違えずに歩けるらしい。
しかも、体内に傾斜計まで持っていて、体の片側が傾き続けていることで、川沿いの傾斜を感知するらしい。
すごいですな・・・。


じゃ、“何もない雪の上で何食ってんの?”と、またギモン・・・。
いやいや、小さな虫にとって雪の上は豊穣な大地だと。
微生物や小さな虫の死骸、藻や苔の類、動物の糞などなど。
小さな体を維持するには十分すぎるほどの食料が、真っ白な雪面には広がっているワケであります。



こんなことを知らないワタシは、暖かくなったのを喜んで歩き回っている、などと勝手に思っていたわけですが、
「産卵と寒さ」いうタイムリミットに向けて、必死に歩いているのでした。
人間の尺度でモノを見てもなんにも分からないわけで、「知る」と180度違う“目”で見えてきます。

2012.3.26 10:57

春の新雪

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週末は、スノーランブラーのツアー。
今年の3月は思いのほか暖かくなる日が少なく、この日も雪。


スノーランブラーはふっかふかの深雪でも、春爛漫のザラメ雪でもOKなのですが、
溶け出している雪の上に新雪が積もったようなコンディションが苦手・・・。
板のステップ部分が “ねっぱり” (北海道弁?)ます。

雪がくっついてきてネバつく・重い、といった感じ。


だけども、真冬と違って、しばれている(これも北海道弁?)わけでもなく、快適です。
鳥を探したり、さえずりに耳を傾けたり、足跡を観察してみたり、森の冬景色を感じてみたり・・・、とゆっくりできるのもこの季節ならでは。


これから4月いっぱい、日に日に暖かくなるにつれて雪もザラメ雪になり、さらにスノーランブラーにぴったりなコンディションになっていきますよ。

2012.3.21 10:03

冬?

ここ数日、冬になっちゃいました。


そんな中、先日の木の曜日講座のフィールドワーク編で地元の皆さんと森の中を歩いてました。


すっかり春、という景色もいいですが、冬景色もやっぱりキレイですな。

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2012.3.16 14:07

「シジュウカラとゴジュウカラ」

先日、町の自然講座の「木の曜日講座」を担当させて頂きました。
これから春に向けて見られる鳥たちについて―
識別点だけでなく、声や行動、生態、分布、文化鳥類学的側面、などなどのお話をさせて頂きました。


その中で、
「シジュウカラとゴジュウカラの、シジュウ・ゴジュウは何?」
という質問があり、少々歯切れのよろしくない返答しか出来なかったので、こちらで改めて―。


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シジュウカラは漢字で書くと、四十雀。
ネクタイを巻いたキレイな小鳥です。
漢字の「雀」は、「いわゆるスズメのこと」、というよりか、小鳥全般を指す古語です。
ものの文献によっては、雀の漢字を当てた「カラ」という言葉自体が小鳥を指している、ともあります。
まぁ、これはなるほど・・・。


問題は「シジュウ」。
これは諸説あり、はっきりしたことは分からないようですが、一説には、
シジュウカラの地鳴き(さえずりでない声)である「チ・チ、ジュクジュクジュク」の音を「シジュウ」に聞きなした。
とあります。
ちなみに、コチラ↓
シジュウカラの地鳴き(mp3)


どうでしょう?少々ムリがあるように感じます?
常に自然に接して身をおいていた、いにしえの人々と、ワタシのような現代人とは感性が違って当然なのですが・・・。


また他には、
シジュウカラは群れていることが多いので、「多数」を表す「四十」をあてた。
と書かれていることもあります。


さらにさらに、昔ワタシが何かで聞いた所では、
「シジュウカラ一羽分がスズメ40羽分の価値」
なんて説も・・・。おもしろいですね~。


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さて、ゴジュウカラ。こちらもそのまま五十雀。
この由来も微妙ですね~。
「シジュウカラに “似て非なるもの” なので、ゴジュウ」
という説があります。
シジュウカラと似ているけども、ちょっと姿が違うので四十を五十にしちゃえ!的な感覚でしょうか。
同じ論法で(?)、ゴジュウカラがハチジュウカラと呼ばれることもあります。


しかし、ゴジュウカラとシジュウカラとは、行動も姿も声質も違います。
シジュウカラをはじめとするカラ類と呼ばれるグループはシジュウカラ科。
だけどもゴジュウカラは、れっきとしたゴジュウカラ科。
現代の分類でも別モノの鳥なんです。
現代人よりも自然観察眼にたけた古人が、“似て” とするもんでしょうか?
それとも同じ群れにいることが多いから、“似て非なるもの”なのでしょうか?
誰もが納得できる正解はなさそうです。


ちなみにこの鳥は、その行動から、「木廻り」「木巡り」「木ネズミ」「逆鉾(さかほこ)」などの別名も古くから伝わってます。
実際にゴジュウカラを見てみると、こちらの名前の方が納得できますね。


とにもかくにも、そんなふうに「答え」のない事象に思いを馳せる、ということ自体が楽しいものだと思うのですが、いかがでしょう。


※ちなみに、ニジュウカラ・サンジュウカラ、ロクジュウカラ・ナナジュウカラは、いませんので、あしからず。


2012.3.12 14:51

春!2

今日は最近にしては少々肌寒く感じる日和ですが、地元の方とスノーランブラーのツアーでした。
相変わらずプラプラ気ままに歩いていると、色々な動物たちの足跡と鳥の声。
ちょっと遠かったけどもリスも走りまわってました。
3月にもなると、リスとの遭遇率もずいぶんと高い。
いる所に行けば、ほぼ毎度のように出てきてくれます。


ということで、今回のブログはリスのご紹介!
今日のツアーでは間近で見られなかったので、先日出会ったリスにご出演を。
ちなみに、シマリスは只今冬眠中なので、エゾリスですよ。


こちらがエゾリスの足跡。
この時期は、指の跡までこんなにくっきりハッキリ。
指の跡は5本。大きな後ろ足と小さな前足が並びます。
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なかなか気づかれませんが・・・、
エゾリスは、巣に木の皮(内皮)も使うので、木をかじって皮をむしった跡が残ります。
繁殖に向けたこの時期は、そんな痕跡もたくさん。
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ゴリゴリゴリゴリ・・・。
警戒されない距離感や場所で観察すれば、比較的ゆっくり見れます。
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冬毛は耳の先の毛がふっさふさ。
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2012.3. 9 21:40

春!

「すっかり春めいてきましたね~」
などと言っていましたが、もうまさに、
「春です!」。


3月に入って、雪もほとんど降ることなく天気の良い日が続いています。
いつもだったらまだまだ雪が降る時期ですが、今年の3月はずいぶんと晴天率の高いこと。
冬が厳しかった分、春が早いのでしょうか?
冬の間毎日毎日、雪が降り続けるニセコでは、この様子の変化に劇的な季節感を感じます。
しかも、2週間ほど前から森の中は鳥の声だらけ。
気持ちいいですよ~。


バッコヤナギの銀毛がとってもキレイ。春の兆しを感じる姿です。
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声がしたので必死に探してみたら、いました。マヒワ。
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どーん!
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手に乗りそうな勢いで動きまわるヒガラ。
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いつもいるのに、なかなか写真を撮らせてくれないシマエナガ。
ちなみに、北海道亜種です。
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本州産エナガはこちらですね(岩手にて)。
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2012.3. 6 17:45

続ける必要性

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洞爺湖の真ん中に中島という無人島が浮かんでいます。
そこには数百頭のエゾシカ生息しています。
島という隔離された自然の中で、シカがどのように生息し、何を食べ、
どうのように生息数を変動させているのか?
そんな、エゾシカと森林植生との相互関係を探るための調査が30年以上前からずっと続けられています。
私にとっても、毎年恒例で手伝わさせて頂いている調査です。


この調査で毎年思うのですが・・・、続けることの大事さ。
一つの自然を見るのに30年以上ですよ!
しかも当然ながら、ただ見るだけでなく、調査としてデータを取り続ける人がいる。
これだけでも何ともスゴイことじゃないですか?
そんな風に自然を見てみたい。


何年もガイドをしていると、立場や経験や他人との関係から、やらないといけないかな・・・的なことも増え、
「グローバルな視点から観光というものを捉え、ガイド業の位置づけとガイドの育成を・・・うんちゃらなんちゃら・・・」などというハナシがよく出ます。
だけどやっぱりワタシは、
“自分にとって”やるべきことを、コツコツと、ホソボソと、コソコソと(?)、やり続けるのが合っているんだなぁ~、と感じます。

2012.3. 4  7:26

私的楽しみ

先日、本を大量注文して山積みとなっているところですが、追加でまた数冊・・・。


そのうちの一冊はこれまた魅力的で・・・
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江戸時代の博物学者が描いた鳥の絵を集めたモノ。
古(いにしえ)の日本人がどんなふうに鳥を見ていたか、をうかがい知ることが出来る絵ばかり。


残念なことに、近代に入り学問としての博物学というものは廃れてしまいました。
が、かつての日本にも世界に引けを取らないほど博物学が盛んな時代があったわけで、
そんな時代の博物学者の人達の観察眼にはただただ唸るばかり、なのでした。

2012.3. 2 17:49

足跡

雪が降っている日がやたらと多い真冬のニセコでは、動物の足跡がくっきり見える、ということが少なめ。
雪面にくっきり足跡が残る―それだけでも雪の降りが収まり、春のきざし。


キツネとエゾリスがきれいに交差。
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エゾリスの足跡、めんこいですな。
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