2018.11.12 16:53

冬枯れの鏡沼

今年の北海道では町での初雪がどこも遅く、冬の訪れが鈍っています。
ニセコ(倶知安)では2012年に町での初雪が11月18日、という年があったけど、例年は10月下旬。
その年に迫る遅さです。


普段のニセコの今時期なら町でも雪が積もってしまってどこも歩けなくなってくる時期だけど、今年はまだイケるのでこの日は鏡沼へ。
自宅から15分ほど車を走らせ、散歩がてら高層湿原に行けるなんて、贅沢です。


森は当然すっかり冬枯れの様相。
歩いていると、ホソバナライシダがまだ何とか緑を保っていました。
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ホソバナライシダは、寒冷・多雪地域の森林に多いシダで、ニセコでは町近くの山麓の森で多く見られ、山に登るにつれ少なくなってきます。
春の展葉(葉を展開させること)が遅めのシダですが、冬枯れも遅いんですね。


一方、シラネワラビは枯れて地上部はすっかりトロケてます。
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シラネワラビは寒冷・多雪にプラス山環境、といった場所に多いシダで、山を代表するようなシダ。
鏡沼湿原では両方ともたくさん見れます。
シラネワラビも展葉が遅いシダですが、ホソバナライシダと違って冬枯れは早いようです。


多雪地域に分布の中心をもつ植物の生活環には、日照時間にプラスして積雪が多く関わっています。
展葉と落葉のタイミングでも、展葉は日照の増加と残雪量によって決まり、冬枯れ(落葉)は日照の減少と降雪時期により決まります。


ダケカンバとシラカンバでは、葉の霜害や雪害を防ぐため、葉の作りや展葉・落葉のタイミングに違いが出る、と言われていますが、ホソバナライシダとシラネワラビにもそんな仕組みがあるのでしょうか?


そんなことを考えながら、湿原へ。
すっかり冬枯れです。当然誰もいません。
タチギボウシにトマリスゲ。
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雪が迫って来たので帰ってきました。
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さすがに、もうそろそろ町にも雪がやってくるでしょう。
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