2020.1.27 14:34

談義ツアー

厳冬期なのに、晴れ!


前日の新雪と青空、静かな森に山の展望―と、山好き・カメラ好きなお客様にぴったりのコンディションでした。
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普段は山ヤさんのお客様なので、山装備のコトからあると便利な道具、スノーシューについて、地形図と地形について、カメラ談義、レンズのことやら何やら……たまに、自然の話し(笑)
一対一のツアーだったので話題も様々、自由気ままなツアーとなりました。


チャイニーズイヤーの日曜日といっても、一日中誰にも会わず、誰の足跡もないニセコの森―なかなかない、一日。


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山岳登山ツアーではなく、自然観光ツアーでもなく、私の思う ”自然ツアー” のカタチ。
相変わらず、楽しさが分かりにくいツアーですが。

2020.1.25 14:28

冬らしく

ニセコらしく、雪。
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静かで新雪豊富な森を、気の向くままに歩いて話して…気持ちのいいツアーでした。
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2020.1.22 15:30

「ゲジゲジシダ顛末記」

ゲジゲジシダという、少し名前の変わったシダがあります。
このシダは「北海道~本州・四国・九州に分布」と図鑑上にありますが、分布の中心は関東以西で、北関東あたりから西の地域ならばごく普通に石垣などで見られます。


(福島県産ゲジゲジシダ)
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しかし北に行くほど少なくなり、秋田・岩手・青森県ではごく稀にしか見られません。
ましてや北海道ではまず見られないのですが、図鑑上で「北海道~」となっているのは、1976年に植物学者の原松次先生によって洞爺湖有珠山での採取記録があるからなのです。
そして北海道でのこのシダの記録は、この一度だけ―。


有珠山はこの採取記録の後に二度も大きな噴火を起こしていて(1977~78年・2000年)、地形も森の姿も、噴火前と大きく変わってしまいました。
そんな地域特性もあり、その後誰もこのシダを見つけていなく(気にする人もいないでしょう)、先年に出版された『北海道シダ図鑑』でも「1977年の噴火によって(道内のゲジゲジシダは)絶滅したようである」と書かれています。


”……ようである” って、ロマンじゃないですか。私の好物です。
なので実は私、2015年あたりからずっと探していました。


こんなモノは手当り次第に探しても見つからないわけで、まずは仮説を立てることから。
暖地性のシダがかつての有珠山にあった、ということは、きっと「地熱」や「噴気」に頼って細々と生育しているのではないか?と。


実はさかのぼること数年前に、これまた北海道ではほぼ見ることのないミズスギという暖地性のシダが道南にあるということを知り、道南に通うこと2年、やっと見つけた経験があります。それはやはり、噴気に依存して生育していました。
本来の生育適地であれば30~50センチほどにもなるシダなのに、まるで冷たい外気に触れないように背丈を低くし、噴気が当たる数センチの大きさで細々と生きていました。


「これが北限での姿なのか…」
と自然の面白さを感じたものです。


(伊豆諸島産ミズスギ)
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(北海道産ミズスギ)
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ゲジゲジシダも、こんなパターンだろうか……?


さらに、さすがの原松次先生も深いヤブの中で狙って見つけたわけではなく、何か他の目的で歩いている時に偶然見つけたのではないか?そうなると、それなりに歩きやすい場所?
なんて想像もしながら、77年噴火よりも前の航空写真や地形図を見ては、めぼしい場所を見当つけて歩いて……しかし幾度も歩けど見つからず。
そう簡単にはいきません。


だけどしつこい私は、次の一手を。
地熱の高い場所を見つけるためには積雪期に雪の量を見ながら探せばいい、というごく簡単なことにふと気付き、ゲジゲジシダ探しはまずは冬に生育場所の見当をつける、という方針変更。「周囲よりも積雪量が少ない=地熱の高さ」でしょうから。


となると、もう一度歩き直しです。
そんな "目" で、森を歩き、ヤブを行き、崖を降りたり登ったり……やっぱり見つからず。まぁ、そりゃそうです。


「やっぱり絶滅したのかな……?」


こんなことを2~3年繰り返しながら半ば諦めかけた2018年の3月、数センチ程度の小さなシダを見つけました。
その場で名前が決められなかったのがワタシ的に気になり、6月下旬に再訪すると……成長した姿は、まさにゲジゲジシダではありませんか!
周囲には5個体ほど確認出来ました。


こうして、42年ぶりの再発見となりました。
北海道に5個体しかいない植物って、ある種の感動を覚えます。


(北海道産ゲジゲジシダ)
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意外や意外、何気ない場所にありました。今まで散々ヤブの中を歩き、崖を歩き、雪の中を歩いたのは何だったんだろう(笑)ただ、岩地で噴気が上がるような地熱の高い場所、という推察は大正解です。


それにしても、こんなに人目に付くような場所にあるシダが40年以上も確認されてこなかった、なんて、ガイド的にはとても興味深いことです。
人間の自然観察に対する心理が垣間見えます。


きっと―、
1.本州では当たり前のように見られるモノは、たとえそれを識別出来る(本州の)人が見ても、 "北海道での分布情報" を知らなければ「あぁ、そりゃあるよね」と軽く考えてスルーしてしまう。


2.島である北海道では各図鑑がよく整理されていて、それだけに、北海道の人間にとっての自然の知識は北海道内で完結しがち。本州ならメジャーなモノでも、北海道の図鑑に載っていなければ知る機会は少ない。


3.やっぱり、知らないものは(目の前にあっても)見えてこない。
―のでしょうか。


こんなことが垣間見えるフィールドワークって、そうそうありません。
一生に一度あるかないかの宝探しとなりました。


学術的な記録としては昨年に標本の収蔵を終えたので、ワタシ的にはもう満足。
だけどせっかくなので今回は、こんなフィールドワークの過程の楽しさを書いてみました。
知っていることで見えてくる世界があるものです。

2020.1.20 20:14

雪を求めて

今年のニセコは1月半ばを過ぎても雪が少なく、今までで初めて、というくらいの少雪の年になっています。
これから2月にかけて、帳尻を合わせのように降られても困りますが……このまま春になってしまったら寂しいくらいの雪の量になっています。


少ないとはいえ山麓でも1m前後はあるので自然ツアー自体には大きな問題はないのですが、山麓ではいまだに笹がいくらか顔を出している状態で、例年とは少し違った風景です。


そんなニセコでもいいのですが、何度も来てくれているお客様だし、天気も穏やかだし、道路コンディションもまずまず。
なので、お客様の好きな森の雰囲気と豊富な雪を求めて、少し遠出。
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新雪粉雪に包まれた亜高山の森。
風もなく、気温もさほど寒くなく、誰もいなく、森は美しく……ワタシらの話し声と笑い声だけ。


気の知れたお馴染みさんとの森歩き、私もたいそう楽しませてもらいました。
いい一日になりました。
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2020.1.18 17:10

「マイクロ・パフ・フーディ」

日頃サポートして頂いているpatagoniaさんから今シーズン、マイクロ・パフ・フーディを入手しました。
5年ほど使った薄手のインナーダウンがへたりまくってきて、だけどこの手のウェアは冬の間ほぼ毎日のように着ているので新調です。


一昨年、この ”マイクロ・パフ” のベストを新調しましたが、これが春と秋の山歩きや調査仕事にすこぶる調子がいい。

--2018.11.30--
今年まで、昔に購入した patagonia製のパフボール・ベストというものをずっと使っていました……


化繊だけど、ダウンにも負けないほどの暖かさで、ダウンの弱点である水濡れに強い。
ベストなので腕上げもスムーズで、重ね着もしやすい。


これに、冬~厳冬期用に袖付き・フード付きがあれば、さらに使い勝手がいいかな、と。
patagonia マイクロ・パフ・フーディ
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純粋な暖かさを重視するならダウンに軍配が上がりますが、動きながらの丁度いい暖かさと重ね着での動きやすさ、何より軽い着心地はスバラシイです。
今年から、名前の似た『マクロ・パフ・フーディ』という新製品も出ましたが、私には暑すぎそうなのとお値段が……。試用する機会があれば着てみたいですが。


マイクロ・パフ・フーディは、ちょっとした場所ではアウターとして着ても―、山ではアウタージャケットのインナーとしても着ることが出来ます。そんな使い方がいいかもしれません。


風雪に備えてフード付きを選びましたが、フードのフィット感もキツすぎずユルすぎず、視界良好でバッチリです。
冬~厳冬期を通して使えますね。


縫製で裏地まで針が通っているので風にどこまで強いかがまだ分かりませんが、その点は『ナノ・パフ・ジャケット』の方が防風性は強そうです。
稜線の吹きさらしに立たない限り、気にするほどでもないかと思いますが。


メーカーによると、重量あたりの保温性はpatagonia製品の中でトップクラスのようで、確かに軽い!これが超快適。こんなに軽いのに暖かい!
袖や裾によくあるプラスチックの部材などはひとつもなく、肌当たりもいいです。
左のハンドウォーマーポケットを裏返すと収納出来るようになっており、こんなふうに持ち歩くことも出来ます。
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注意点としては、やっぱりサイズ感。patagoniaのサイズ感は私にはいつもムズカシイ…。170cm66kgの私には、Sサイズでいい感じでした。
こればかりは人それぞれなので、まずは店頭で試着することをおすすめします。


今年の冬からは毎日着ています。

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