2018.10.18 16:54

ネズコ

ネズコはクロベとも言われ、木曽五木のひとつ。
(木曽五木:ヒノキ、サワラ、アスナロ、コウヤマキ、ネズコ)


スギやヒノキと違って植林されることがほとんどなく天然木として見られるだけなので、今やネズコの巨木を見ることは少ないようです。


国内北限は青森津軽なので、当然北海道には分布がありません。
しかも生育地は急傾斜地やヤセ尾根・岩地などに生育していて山地にも適応した木なので、行くのも大変なことが多く、北海道人にはなおさら見づらい木ですね。
ワタシも今まで見たことありませんでした。


ネズコの巨木がたくさんある森でした。
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アスナロやサワラ、ヒノキのように葉の裏の気功帯が目立たないのも独特。
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調査員の人と、
『整いました~!“ねずっち”です。』
とか(古い…)、
『“ジャングルくろべえ”ってあったよね~』
とか(もっと古い…)、
話しながら仕事してました。(バカっぽい)

2018.10.16 20:21

妄想散策

ガイドをやっていると、自然散策や登山に一般的に良いとされる時期には、なかなか自由に歩きに行けないものです。


一般的に花がなくなるこの時期は仕事的にも時間が空くので、10月半ば~11月の積雪までのこの時期が勝負です。時期的に、どこに行っても枯れた植物ばかりなんですが(笑)
新規ツアー場所の開拓や夏に行けなかった場所の様子見など、歩きまわっています。(というか今はまだ東北にいるので、帰ってからも歩き回る予定です)


そんな時、花がなくても……
・葉っぱだけで―
・様々なステージ(成長段階)で―
・ロゼット(越冬葉)の状態でも―
個々の植物の識別が出来れば、盛期にそこがどんなふうになるのかイメージが出来ます。


自然ガイドを名乗る以上、「花が咲いてりゃ名前が分かって当たり前。そこからスタートよ」と強気な発言をするワタシ。


ちなみに、この日はオオハンゴンソウのステージごとの良い記録写真が撮れたので、それをご紹介。
オオハンゴンソウ。特定外来生物ですが(笑)
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超チビ
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チビ1
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チビ2
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チビ3(ちょっとそれっぽくなってきた)
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チビ4(サイズも大きくなってきた)
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チビ5(だいぶそれっぽい)
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越冬葉
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オオハンゴンソウの花期に、茎についている葉(茎葉)はこんなです。
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オトコエシのロゼットもあったので、ついでに。
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夏には白い花がたくさん咲くのだろうな~
(オトコエシ)
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これをヤブキ用語で、妄想散策といいます。

2018.10.14 16:51

森をみる in東北

よくワタシ、「自然をみる楽しさは、個と全体に意識を向けることだ!」などとヤブキ理論を展開していますが、これがなかなかムズカシイ。


まず、個を見られるようになるだけでもひと苦労。
ひとつひとつの動植物の名前を決められる必要があります。


だけど個にこだわってばかりではツマラナイ。
全体を見るとなれば、地形から地質・環境から植生・果ては背景までなんでもアリ。


この思考の行ったり来たりこそが、難しいけども楽しいトコロなのです。


さらに森を科学的な目で見ようとすると、個を理解した上で地域ごとの植生を理解する必要があります。
これもまた厄介。
机上で勉強をしてばかりでも―、ただ漫然とフィールドワークをしても―、独りで歩いてばかりでも―、なかなか実際に見られるようにはなりません。


昔(10年ほど前?)に保護林の調査に同行する機会がありましたが、当時は知識も経験も乏しく、せっかくのキレイな森でも「ふ~ん…」だったものです。


そんな保護林調査のため、只今東北に出張に来ています。秋田あたりをウロチョロと。


保安林や保健林は市街地にもありますが、保護林ともなると通常行けない(行かない)ような場所ばかり。
でもいい森をたくさん見られるいい機会なんで、毎日毎日山奥でヒーヒー言いながらキレイな森を見ています。
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あと一週間後くらい、こっちにいます。

2018.10.12 15:28

ニセコの山へ

今年のニセコの山々は、台風の影響か、紅葉が少し残念な感じ。
ニセコの山の代表的な樹木であるダケカンバは、紅葉する前に枯れて葉を落としていました。


この日は、そんな紅葉終盤のイワオヌプリへ山歩き。


落葉したダケカンバの白い幹がくっきりと浮かび上がり、尾根沿いに適応した樹木というのがよく分かります。
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マイヅルソウ
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オオカメノキ
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オオバスノキの葉は赤く
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ゴゼンタチバナも真っ赤っ赤。
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ハナヒリノキの赤はちょっとやり過ぎ。
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そんな中の、シラタマノキの白は目立ちますね。
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まだキレイなミヤマメシダが残ってました。
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シノブカグマは常緑性なので、元気いっぱい。
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緑が少なくなる時期なので、日頃目立たないものが見えてくるのもいい。
タカネヒカゲノカズラ。
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稜線上はすっかり寒いっす。
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2018.10.10 17:49

森をみる

この日は、美しい森をみよう、のツアー。
遊歩道もなにもない、だけどたいそう美しいハルニレ林を歩く。
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人は誰も歩かないけどシカ道をたどると……教科書通りのミズナラ林。
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北海道の開拓史では、ハルニレ林は「地味良好デアル」として、真っ先に開かれて農地となった森でもあります。
道内でも古くから開拓された歴史を持つ道央圏ではなお、今も良好なハルニレ林はあまり残っていません。


ツアーの日の天気は雨模様だったので光が残念でしたが、太陽の光が森に差し込むとより美しい森なのです。
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