2018.10.22 15:12

東北の山奥の森

ニセコに帰ってきました。


初めて調査仕事で東北に行ったのが、ちょうど10年前―。
今となってはもう、北海道にはない地形や道内分布のない植物の葉を見ても、北海道にいない鳥の声を聞いても、さほど違和感を感じずに名前をイメージ出来ることが、我ながらウレシク感じる今回の出張でした。
こちらに来るたび、毎回毎回吐きそうになりながら図鑑とにらめっこした甲斐もあります(笑)


さて今回も、道なき道の山奥ばかりを歩いてました。
こんな沢をひたすら…
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歩いて…
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歩いて…
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沢の水は美しく…
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森も美しい。
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北海道では探すような植物がフツーにあります。
テンニンソウ
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初めて道南で見た時には嬉しかったけど、こちらでは雑草レベル(笑)
アカネ
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これも道南で見つけた時には歓喜したものですが、こっちではフツー。
ヒメノキシノブ
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これは北海道にはありませんが、花がまだ残っていました。
オクモミジハグマ
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この写真は何回撮っているんだろう。
オサシダとシシガシラ
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北海道はやっぱり寒いです……。

2018.10.20 18:06

「登れない山」

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この山容を見て「!?」と思った人は、かなりの北海道自然ツウでしょう。


崕山(きりぎしやま)。


道内で自然に携わる者なら、たいてい知っている(知らないといけない)山です。


1980年代、世は登山ブーム、山野草・園芸ブームの時代―。
多くの人が一気に山に押し寄せることで多くの山がオーバーユースの状態を引き起こし、さらにはランを始めとする花や高山植物などの貴重な花々が高値で取引された時代でもあります。


石灰岩の山のために固有種や多くの貴重な植物の大群生地だったこの山も、そんな時代の波にのまれるように道は荒れ、さらに一部の心ない人たちの激しい盗掘圧が追い打ちをかけました。


一面に咲く固有種のキリギシソウを始め、いまや厳重な保護の元でしかほどんと見ることのないアツモリソウなど、取り尽くされるほどに盗掘されたこともあります。
40年近く前には足の踏み場もないほどアツモリソウが咲き誇っていたものが、90年代末の調査では2株しか確認出来なかったほどと言われています。


そこで1999年、野生生物の種の保存を目的に入山制限がもうけられ、それ以降は学術目的などの特段の理由がない限り、原則的に登ることの出来ない山となりました。
山そのものに人を入らせない、というのは国内でも異例の措置です。


私もそんな崕山についてはガイドになったばかりの頃に知り、入山制限がかかった数年後にふと「あぁ~もう行けない山になっちゃったんだ…」と感じた記憶があります。


そこに今年、調査仕事で行く機会がありました。
登ってはいないので核心部には足を踏み入れていませんが、登山口付近をウロチョロしてました。


登山口の遥か手前に、自転車やバイクの侵入すら拒むようなしっかりとしたゲートが2つ続きます。
その上、ゲートの鍵も普通の南京錠ではなく、複製が出来ない外国製の見たこともない鍵です。


たとえ無理やり入ったとしても、歩いて登山口まで行くだけで遠い、という距離感。誰も行けないので人間はひとりもおらず、ヒグマの天下のような森ですし。
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登山口から見た崕山。
石灰岩の露岩が見えます。
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20年近く人が立ち入らないことで個々の植物は絶滅寸前の状態から多少の回復を見せ、山の植生も多少の回復傾向ではありますが、まだまだ昔のような自然の姿には程遠い状態。


自然をキチンと見て・知る楽しさを感じる人がひとりでも増えていき、そんな頃には昔のように貴重な花々が咲き誇る山に回復し、いつか自然を愛する人たちが普通に楽しめる山になることを願っています。


ホテイアツモリ(2011年6月 留萌管内にて)
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2018.10.18 16:54

ネズコ

ネズコはクロベとも言われ、木曽五木のひとつ。
(木曽五木:ヒノキ、サワラ、アスナロ、コウヤマキ、ネズコ)


スギやヒノキと違って植林されることがほとんどなく天然木として見られるだけなので、今やネズコの巨木を見ることは少ないようです。


国内北限は青森津軽なので、当然北海道には分布がありません。
しかも生育地は急傾斜地やヤセ尾根・岩地などに生育していて山地にも適応した木なので、行くのも大変なことが多く、北海道人にはなおさら見づらい木ですね。
ワタシも今まで見たことありませんでした。


ネズコの巨木がたくさんある森でした。
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アスナロやサワラ、ヒノキのように葉の裏の気功帯が目立たないのも独特。
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調査員の人と、
『整いました~!“ねずっち”です。』
とか(古い…)、
『“ジャングルくろべえ”ってあったよね~』
とか(もっと古い…)、
話しながら仕事してました。(バカっぽい)

2018.10.16 20:21

妄想散策

ガイドをやっていると、自然散策や登山に一般的に良いとされる時期には、なかなか自由に歩きに行けないものです。


一般的に花がなくなるこの時期は仕事的にも時間が空くので、10月半ば~11月の積雪までのこの時期が勝負です。時期的に、どこに行っても枯れた植物ばかりなんですが(笑)
新規ツアー場所の開拓や夏に行けなかった場所の様子見など、歩きまわっています。(というか今はまだ東北にいるので、帰ってからも歩き回る予定です)


そんな時、花がなくても……
・葉っぱだけで―
・様々なステージ(成長段階)で―
・ロゼット(越冬葉)の状態でも―
個々の植物の識別が出来れば、盛期にそこがどんなふうになるのかイメージが出来ます。


自然ガイドを名乗る以上、「花が咲いてりゃ名前が分かって当たり前。そこからスタートよ」と強気な発言をするワタシ。


ちなみに、この日はオオハンゴンソウのステージごとの良い記録写真が撮れたので、それをご紹介。
オオハンゴンソウ。特定外来生物ですが(笑)
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超チビ
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チビ1
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チビ2
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チビ3(ちょっとそれっぽくなってきた)
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チビ4(サイズも大きくなってきた)
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チビ5(だいぶそれっぽい)
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越冬葉
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オオハンゴンソウの花期に、茎についている葉(茎葉)はこんなです。
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オトコエシのロゼットもあったので、ついでに。
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夏には白い花がたくさん咲くのだろうな~
(オトコエシ)
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これをヤブキ用語で、妄想散策といいます。

2018.10.14 16:51

森をみる in東北

よくワタシ、「自然をみる楽しさは、個と全体に意識を向けることだ!」などとヤブキ理論を展開していますが、これがなかなかムズカシイ。


まず、個を見られるようになるだけでもひと苦労。
ひとつひとつの動植物の名前を決められる必要があります。


だけど個にこだわってばかりではツマラナイ。
全体を見るとなれば、地形から地質・環境から植生・果ては背景までなんでもアリ。


この思考の行ったり来たりこそが、難しいけども楽しいトコロなのです。


さらに森を科学的な目で見ようとすると、個を理解した上で地域ごとの植生を理解する必要があります。
これもまた厄介。
机上で勉強をしてばかりでも―、ただ漫然とフィールドワークをしても―、独りで歩いてばかりでも―、なかなか実際に見られるようにはなりません。


昔(10年ほど前?)に保護林の調査に同行する機会がありましたが、当時は知識も経験も乏しく、せっかくのキレイな森でも「ふ~ん…」だったものです。


そんな保護林調査のため、只今東北に出張に来ています。秋田あたりをウロチョロと。


保安林や保健林は市街地にもありますが、保護林ともなると通常行けない(行かない)ような場所ばかり。
でもいい森をたくさん見られるいい機会なんで、毎日毎日山奥でヒーヒー言いながらキレイな森を見ています。
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あと一週間後くらい、こっちにいます。

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